謹賀新年

Round Leaf Holly

謹んで新年のお慶びを申し上げます
本年も、よろしくお願いいたします

 羊坂 珠音

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コハクチョウ 其之九

Bewick’s Swan

 今季もコハクチョウが鶴ヶ池へ飛来した。12月中旬のことである。
 当初の6羽のうちには幼鳥もおり、次世代も期待できる。

 現代社会は、ミスを誘発するシステムに溢れている。
 対人サービスに於いては機械化の進展が著しいが、その機械の扱い方が判りにくく、ミスを誘発している。注意喚起のラベルがベタベタ貼られているのは、利用者や消費者のケアレスミスが頻発している証拠である。他の利用者や消費者のミスにより、自分が損失を被ることもある。
 販売やサービスに於ける従業員のミスを見ぬくことができないのは、利用者や消費者としてのミスである。従業員はミスをするものであることを認識して、検品・検算・ミスの指摘を早期にすることは、利用者や消費者としての責務であると私は考えている。

 ほんの些細なケアレスミスに対するサンクションは大きく、リスクを回避するためには利用者や消費者としての行動を自粛せざるを得ない。
 私は可能な限り外出や買物を避けるようにしている。それでも医療機関、食料品店、交通機関など、生活の基盤を支えるものには関与せざるを得ず、そのような場合には細心の注意を払って行動している。

 コハクチョウの羽根の純白は、現代社会とは無関係な純白である。
 その純白に癒されて、なんとか生きている。

 

味噌汁をつくる

Japanese radish


 老父は野菜が嫌いで、刺身のつまの大根や大葉も残すほどである。もったいないので、メバチやビンチョウを柵で買い、拙宅にて柳葉包丁で切るようにしている。

 十月の初旬に老母が右腕を骨折し、朝食をつくることは私の仕事になった。前夜のうちにコメを研いで、炊飯器に炊きあがりの時刻を予約しておく。炊きあがれば重量を計測してご飯をよそう。味噌汁をつくる。食後にはお茶を出す。
 数年前、老母が左腕を骨折したときに朝食をつくることは経験しているが、その骨折が治癒してからは、老母に朝食を任せていた。だが今回は、老母の骨折が治癒しても私が朝食をつくり続けることになる。
 味噌汁をつくることが朝食をつくることの実質であるように思う。具材の準備から、調理して配膳するまで、一連の作業を速やかに行うには修練が欠かせない。
 小松菜、白菜、玉葱、大根、海老芋。味噌汁は基本的に野菜を具材とする。出汁には、あご入りの天然だしパックを使う。小松菜や白菜は、軸と葉を切り分けて、軸を早めに茹でる。大根など堅い食材は、前日のうちに切り分けて下茹でをしておくと、当日の調理時間が短縮できる。豆腐とワカメ、豆腐とナメコ、アサリなどの具材をつかうこともある。昼食であるなら豚汁をつくる。

 家族の健康に責任を持つことが炊事を担う者の職分であると考えている。食料品店に陳列される、メニュー提案型合わせ調味料商品には、塩分が多いように思う。味噌や醤油などは減塩のものを選ぶようにしているが、旨味やテクスチャなども工夫して、健康的で美味しい料理をつくりたい。
 野菜嫌いの老父は認知症で、もう、まともなコミュニケーションは望めない。美味しいものを食べさせるくらいのことしか、もう、私にはできないのである。

語学について 其之三

Lantana

 先日、ブラジル出身の方、複数名と話す機会があった。
 ブラジル出身の方は基本的にブラジル・ポルトガル語しか理解しない。日本語に堪能な方が私にうちあけてくださったことであるが、彼女らは基本的に英語を理解しない。これは、それまで海外出身の方たちと英語で話していた私自身には痛切な警告であった。世界には英語を解さない方たちも存在するのである。
 私は早速「ブラジル・ポルトガル語」に関する書物を近隣の書店で購入した。ブラジル・ポルトガル語に関しては、わが自治体にその住民の多いこともあって、いつかは勉強しなくてはならないという責任を感じていたのであるが、まさかその場でスイッチが入るとは思っていなかった。
 今まではETVにブラジル・ポルトガル語の講座のないことを勉強しない言い訳にしていたのであるが、もう、その言い訳も通用しない。いま、隣りにいるブラジル出身の方に話しかけられなくてどうするか。喫緊の課題である。

 ETV「旅する◯◯◯◯語」のシリーズは2017年10月から新しいものになった。私は「旅するスペイン語」を選択して視聴している。ポルトガル語とスペイン語は非常に近い言語である。
 実は、スペイン語は、私が大学一年生のときに、そのときはアメリカ合衆国のヒスパニックについて研究したく選択を希望して、大学側から許可されなかった科目である。
 それで私はフランス語のクラスにまわされた訳であるが、そこから原書購読、卒業論文へとフランス語の世界を通じて私は大学を卒業することができた。やはり当時の私には、スペイン語圏よりフランス語圏に読むべき文献があった。その判断は(私自身ではなく)指導教官に託されていたのであるが、その方が正しい判断をして下さった。私は指導教官に恵まれていたと思う。

 ブラジル・ポルトガル語と日本語しか理解しえない住民は、いま現在、私たちの近隣に住んでいる。彼らのうちのひとりから「スペイン語を話せないか」というご質問もいただいた。
 ポルトガル語とスペイン語について学習したいと考えている。

ラグビー観戦記 2017.09.09 ヤマハスタジアム

Yamaha Stadium

 昼間は猛暑の天候であったが、午後三時を過ぎると風も涼しくなって、球技場まで歩いて行こうという気になった。
 2017 – 2018 ジャパンラグビー トップリーグ 第4節。ヤマハ発動機ジュビロ vs リコーブラックラムズ。17:00 キックオフ。レフリーは小川朋弘さん。今季ホーム初戦である。

 前半、敵陣深くまで攻め込んだヤマハ発動機ジュビロは、最後に五郎丸歩選手が華麗なターンでトライ。厳しい角度であったがコンヴァージョンも難なく決め、7点を先行する。
 その直後にリコーブラックラムズにラインアウトからモールでトライされるもコンヴァージョンは決まらず、攻防が続く。ヤマハ発動機ジュビロは敵陣深くまで攻め込むも、リコーブラックラムズはスクラムを押し返す。
 前半も30分を過ぎた頃、ヤマハ発動機ジュビロは五郎丸歩選手が絶妙なタッチキックを蹴り、ラインアウトからのモールで加点する。このときの堀江恭佑選手の動きは素晴らしかった。前半を終了してヤマハ発動機ジュビロ 14ー5 リコーブラックラムズ。

 後半開始早々にラインアウトからモールを組み堀江恭佑選手のトライ。だが、その後はリコーブラックラムズの猛攻撃に、ヤマハ発動機ジュビロは自陣深くに釘付けにされる。しかし、インゴール直前でラックをめくるなど、ヤマハ発動機ジュビロのディフェンス能力は高い。
 ヤマハ発動機ジュビロは敵陣へ攻め込んで堀江恭佑選手が三本目のトライを決める。その後、ヴィリアミ・タヒトゥア選手のトライも決まり、キッカーのゲラード・ファンデンヒーファー選手が確実にコンヴァージョンを蹴り込んだ。
 試合終了の時間帯になってリコーブラックラムズの猛攻撃に耐えられずワントライ・ワンゴールを献上したが、最終スコアはヤマハ発動機ジュビロ 35ー12 リコーブラックラムズ。

 得点すべきときに点の入る理想的な展開であった。リコーブラックラムズの最後まで諦めない姿勢にも賞賛を贈りたい。

語学について 其之二

Okegayanuma

 2017年4月から「旅するイタリア語」を視聴している。
 NHK教育テレビの語学講座でユーロ圏のものは、2016年10月の編成から旅行番組のような仕様になって、私はドイツ語とフランス語を視聴した。いずれも深夜の放送なので、予約録画しておいて、食事中などに観ている。大学の授業とは異なり、試験を受けたり、成績を気にする必要もないので、気軽に楽しむことができる。なお、2017年4月からの番組は、すべて2016年10月からの番組の再放送である。
 イタリアはローマ帝国の地である。古代から現代に至るまで、ヨーロッパの政治、経済、文化において重要な地域である。高校で世界史を学ぶときにムリヤリ暗記した知識が甦り、また、モヤモヤしたまま詰め込んでいた事柄なども明確になって、イタリア語とイタリア文化を学ぶことは、受験勉強のデトックスをするような効能があるように感じている。
「旅する◯◯◯◯語」のシリーズは、現地の映像が豊富で、音声もネイティヴなので、日本人の講師から教室で外国語を学習するよりも、身体に素直に響いてくる。美術、映画、料理など、イタリア文化に魅力的なものの多いことも、勉強のモチベーションになる。
 イタリア語の語彙はフランス語に似たものが多く、それは英語にも通じていて、その差分を学ぶことにより、語彙を増やすことが可能なように思う。イタリア語を新しく学ぶことはフランス語や英語を復習することでもある。

 中国語の語彙に日本語に似たものが多く、また韓国語に共通するものの多いこともまた同様の現象で、私は日本語の探究から中国語と韓国語に興味を持ち始めたのであるが、やはり差分を認識することで語彙を増やせるように思う。ただし、中国語も韓国語もリスニングが難しい。いずれの言語にも日本語にはない発音があり、その聴き分けができない。中国語には声調という要素もあり、聴き取りはかなり困難である。時々、NHK総合テレビのニュースで、中国語の音声をそのまま流してくれることがあるが、得がたい機会だと思い、聴き取りに挑戦している。
 2017年4月からは「テレビで中国語」も視聴している。こちらは「旅する◯◯◯◯語」のシリーズとは異なり日本でのスタジオ収録であるが、発音を丁寧に教えていただけるのが嬉しい。ピンイン・トレーニングなど、テレビならではのメリットをうまく活かしているように思う。

スズムシ 其之十一

suzumushi

 今年のスズムシも成虫になった。

 昨年は頭数が少なかったため、秋季の産卵場の管理から慎重に取り組んだ。双眼実体顕微鏡を導入し、産まれたばかりの卵を蝕むカビを、ピンセットで丁寧に取り除いた。
 産卵場には、どうしても成虫の糞が入り込むが、その糞には栄養があり水分も豊富なため、産卵直後からカビが発生する。カビの胞子の侵入を防ぐことは難しいので、糞に付着して成長したものを双眼実体顕微鏡で見ながらピンセットで取り除くことで対処している。それでも細かく砕けた糞のかけらまでをすべて拾いあげることは困難で、ある程度のカビの発生はやむを得ない。
 産卵場のマットには赤玉土を用いた。無機質のマットであればカビも成長しづらい。カビを予防するため、冬季は乾燥させてガラス製の産卵場のまま保管し、三月から加湿するタイミングを探った。
 今年も昨年に続いて春季の気温が低かった。四月に降雨の日が続いた後、本格的に加湿を始めたが、そのときも双眼実体顕微鏡での観察を続けた。ダニの発生がスズムシの卵の成育よりも早いことに気づいたのは、この観察の成果である。ダニが産卵場内部で動き回ることにより、カビの胞子が広まるのかも知れない。カビとともにダニもまたピンセットで丁寧に取り除いた。
 孵化が始まったのは五月下旬で、六月には梅雨の影響で気温が低下してきたため、孵化する機会は短期間しかなかった。スズムシの卵をプラスチック製の孵化場に移し、コピー用紙を細長く短冊状に切ったものの手元を少し折って工具とし、孵化した初齢幼虫を孵化場から掬いあげる。
 孵化場から掬いあげた初齢幼虫は初齢幼虫舎に移す。初齢幼虫舎のマットは赤玉土を水で湿らせたもので、給餌にはナスを切って入れておく。マットに加湿するとカビの発生するリスクが高まるが、初齢幼虫はマットに含まれた水分も摂取するので、マットを乾燥させるわけにはゆかない。
 幼虫が大きくなってきたら、成虫になるまでを過ごすメインの幼虫舎に移す。幼虫舎のマットは乾燥させたままでも良い。給餌にはナスの他に蛋白質のものを追加する。幼虫舎には経木を立て、幼虫の脱皮を促すとともに、個体群密度が適切に保たれているかを観察する。個体群密度が高いようであれば、経木を増やしたり、複数の幼虫舎間で個体を移したりして調整する。
 初齢幼虫舎と幼虫舎にはプラスチックのケースを利用するが、これには様々なサイズがある。初齢幼虫舎には最小サイズ、幼虫舎には大きめのサイズを準備するが、作業しやすいものを選ぶことが賢明である。産卵場、孵化場、初齢幼虫舎、幼虫舎すべてに言えることだが、複数を同時に進行させることが、全滅を防ぐための方策となる。
 成虫舎にはLサイズのネットゲージを準備している。マットには乾燥したミズゴケを敷き、加湿した産卵場を中央に置いて、ミズゴケを立体的に配置して雌が産卵場まで上れるようにしておく。スズムシの雌は湿った場所に産卵管を刺して卵を産みつけるのである。

 夏季から秋季までスズムシは鳴き続ける。