ラグビー観戦記 2013.06.22 大久保グラウンド

Okubo Ground

Okubo Ground

 前日まで降り続いた雨も、今日は穏やかにおさまり、むしろ快晴の天気となった。
 キジバトが鳴いている。
 2013 春季練習試合 第4戦。ヤマハ発動機ジュビロ vs 福岡サニックスブルース。13:00 キックオフ。
 先週の「ふがいない」(三村勇飛丸選手)結果が響いているのか、今日の試合は、選手たちの表情が違うように思えた。意識することで試合に勝てるようになればいい。監督や選手たちの意志の通るようなかたちで試合が進行してゆくのであるなら、勝利は必然的な結果であるからだ。
 前半開始。福岡サニックスブルースに勢いがあり、自陣に攻め込まれて厳しい状況を耐えていたところ、徐吉嶺選手の素晴らしいランとキックにより、トライを得ることができた。その爽快な走りぶりは、蒸し暑い夏の空気を振り払うのに充分なものであった。大田尾竜彦選手のコンヴァージョンも手堅く決まり、先制する。
 しかし、福岡サニックスブルースの勢いは強く、ディフェンス・ラインの中央を抜かれて失点する。ヤマハ発動機ジュビロも盛り返して得点するが、福岡サニックスブルースの攻撃の勢いは止まず、再び失点してしまう。だが、角度の難しいコンヴァージョン・キックを相手が外してくれたおかげで、ヤマハ発動機ジュビロ 14-12 福岡サニックスブルースで前半を折り返す。
 ヤンマが飛んでいる。
 相手が優勢でありながらも、守備でよく耐えたことには効果があり、後半にフォワードの強さが顕在化することによって、ヤマハ発動機ジュビロは明らかに得点する可能性を得たように思う。プロップがシンビンを受けて、ひとり足りない状況でも、ウイングの徐吉嶺選手がスクラムに参加することにより、インゴール前中央において、ほぼスクラム・トライに近いような状況で得点した。
 敵陣でプレーする時間が増え、清宮克幸監督から「絶対とれ」という指示がとぶ。フォワードの強さが実感でき、観客としても安心して観ていられる状況である。堪らず飛び込む福岡サニックスブルースの選手がシンビンになるほどの出来の良さだ。ただ、インゴール前でのバックスのキック・パスが、抑え役の選手の不在などで、得点に結びつかなかったことは少し勿体なく感じた。
 後半のスクラムは、ほぼ相手を圧倒していて、フォワードだけでも得点のできそうな雰囲気があった。後半終了直前にトライが実現したが、インゴールの右隅に決められたトライに対応する難しい角度を、キッカーの遠藤広太選手は見事なコンヴァージョン・キックでゴールした。ヤマハ発動機ジュビロ 28-12 福岡サニックスブルースで試合を終了する。
 フォワードの強さは勝利を確実にする。その強さを増すことができたならば、チームとしてのヤマハ発動機ジュビロの基盤も磐石なものとなろう。バックスでは、徐吉嶺選手、遠藤広太選手の印象的なプレーが目をひいたが、相手がウイングに警戒するようになれば、センターで突破する戦術も可能になる。アンストラクチャーな状況からボールを奪うことができれば、あとは攻撃の仕方がクリエイティヴな課題となる。
 良いプレーをすれば得点することができ、得点することができれば選手にも自信がついて、更に良いプレーができるようになる。そのような良い循環を築いて、ヤマハスタジアムを楽しい空間にしてほしい。

ラグビー観戦記 2013.06.15 大久保グラウンド

Okubo Ground

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 いまにも雨の降り出しそうな曇天であったが、傘を持ち、球技場へ向かった。
 ホトトギスが鳴いている。
 2013 春季練習試合 第3戦。ヤマハ発動機ジュビロ vs 豊田自動織機シャトルズ。15:00 キックオフ。
 グラウンドに入る前に、浜松で繁殖しているメリケントキンソウ(キク科)の種子をグラウンドに持ち込まないように、靴底をぬぐうスペースが設けられていた。このような細かい気配りがチームを支えている。
 今日は、勝ち負けにこだわらず、ゆっくりとプレーを楽しもうという気持でいた。フォワードの臨時コーチに、フランスから、フィリップ・ベルビジェ( Philippe Berbizier )さんを招聘しているというので、フォワードのプレーを観ることを楽しみにしていた。ヤマハスタジアムはサッカーとラグビーの専用球技場であり、選手との距離の遠くないことが魅力であるが、大久保グラウンドは、更に選手に近い。コンクリートの席に座り、雨の降らないことを祈りながら、試合を観戦した。
 豊田自動織機シャトルズのキックオフは、いきなりノット10メーターで、ヤマハ発動機ジュビロのスクラムになった。しかし、コラプシングをとられたのか、ペナルティー・キックで自陣深い位置までゲインされる。そこでマイボール・スクラムになりながらも、相手にボールを奪われて失点した。早々に、5点を献上する。
 前半のスクラムは、殆ど何らかのかたちでペナルティーを取られていたように思う。レフリー名はアナウンスされなかったので判らないが、ラグビーでは普通、レフリーの判定に異を唱えるようなことはしない。どのレフリーに当たっても、ペナルティーを取られないようなプレーを目指すべきだろう。スクラムに失敗しているようでは勝てない。
 前半も30分を過ぎたあたりで、試合は動いた。豊田自動織機シャトルズが1トライ1ゴールを追加し、ヤマハ発動機ジュビロは、曽我部佳憲選手の巧いキックパスで1トライを奪った。コンヴァージョンは惜しくも外れたが、試合全般を通じて、彼のキックは素晴らしかった。前半を終了して、ヤマハ発動機ジュビロ 5-12 豊田自動織機シャトルズ。
 ツバメが飛んでいる。
 後半は、早い時間帯に徐吉嶺選手のランとキックで大きくゲインしたが、得点することはできず、逆に、自陣深く攻め込まれて、ディフェンスに集中しなければならない時間が続いた。
 ウグイスが鳴いている。
 自陣、左奥に空きスペースがあり、狙われるなあ、と思っていたら蹴りこまれた。豊田自動織機シャトルズがトライを決める。コンヴァージョンも決められて失点する。更に、ディフェンス・ラインを破られて、相手の独走を許して失点する。気落ちしたのか、あっさりと中央を突かれて失点する。気がつけばヤマハ発動機ジュビロ 5-33 豊田自動織機シャトルズ。ワンサイド・ゲームである。
 試合終了直前に、大田尾竜彦選手の巧いグラバー・キックで得点したが、もはや反撃の時間はない。最終スコアは、ヤマハ発動機ジュビロ 12-33 豊田自動織機シャトルズ。完敗である。
 まだ、トップリーグの試合でなくて良かった。大久保グラウンドには、サッカーのジュビロ磐田の練習場もあるのだが、J リーグに於けるチームの苦境は、市民の心配の種であり、街中のサポーターが頭を抱えている。サッカーでもラグビーでも、監督や選手たちは移籍すれば無関係になるが、ホームタウンの住民たちは、そうはいかない。下部リーグに落ちたチームを応援するしかないのだ。
 今日の試合は、チームの克服すべき材料が出たということだと思う。個人のスキルも、まだまだ上げる余地のあるように思う。空きスペースを使うこと。早く判断すること。味方の選手がボールを得たら、必ずサポートすること。ランやキックで一気に陣地を取れても、得点できなければ勝てるわけがない。
 監督や選手たちは、もっと勝つことにこだわりを持ってほしい。いや、ホームタウンの住民には、勝ち負けにこだわらず、ゆっくりとプレーを楽しもうという気持で観ている者もいるからだ。
 そうでなければ、ホームタウンの住民なんて、つとまるはずがないのである。