カブトムシ 其之四

Japanese rhinoceros beetle

Japanese rhinoceros beetle

 二十頭のカブトムシが羽化した。雄が十頭、雌が十頭である。

 今年は春に五十五頭の三齢幼虫を森へ返した。その際に雄と雌との選別を行ない、なるべく雌雄同数になるように拙宅に残した。森へ返したのは、明らかに雄である三齢幼虫と、自分では判別することのできなかったもののうち、体重の低いものである。明らかに雄あるいは雌であるもの五頭ずつと、判別できないもののうち体重の重いもの十頭の、合計二十頭を拙宅で蛹化させた。

 私は、昆虫飼育に関しては初心者に近い経歴の者であり、三齢幼虫の雌雄鑑別に関しては、ウェブにあげられている方法を検索しながら、なおかつ自分のアタマで考えながらの、初めての作業であった。昨年までは、とにかく体重の重いものを残すという方法で、すべて雄ばかりという結果になっていたが、今年は可愛い女の子たちが十頭も羽化してくれた。
 カブトムシの飼育において、雌雄鑑別は課題のひとつであるが、それをクリアすることができた。昨年までは、繁殖のために森から野生の雌を捕獲していたのであるが、今年からは拙宅での完全養殖が可能になる。

 昼の間は腐葉土の中でおとなしく眠っているが、夜になるとクヌギの葉をかき分ける音や翅をふるわせる音で喧しい。卵を採取することができれば、彼らもまた森へ放つつもりである。森には、カブトムシを捕獲するためだけに来る方もいらっしゃるので、私のようにカブトムシを増やして放つ者がいてもいいだろう。

 ヒマワリも重い種を宿して垂れている。夏は大きく生命の環の動く季節である。

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