ラグビー観戦記 2013.09.14 ヤマハスタジアム

Yamaha Stadium

Yamaha Stadium

 台風の来るという情報は聞いていたが、また、それが今晩には来ないだろうという予報も耳にしていた。空は、明らかに夏の気配をなくしていて、季節の変わったことを感じさせる。
 2013- 2014 トップリーグ 1stステージ 第03節。ヤマハ発動機ジュビロ vs パナソニック ワイルドナイツ。2013年9月14日(土曜日)18:00 キックオフ。
 改装されたヤマハスタジアムには、いつも以上の賑わいがあるように感じられた。まだ、歩けば蒸し暑い季節で、ビアガーデンが繁盛している。サイコロステーキに魅力を感じたが、できれば飲食物はハーフタイムに頂きたい。新装された第1ゲートの前には長蛇の列が待機している。まだ開いていないのだ。
 16:30 になると、吹奏楽団の演奏とともにゲートの扉が開かれた。長い列がスムースに会場の中へと吸い込まれてゆく。私も、その流れの中の一員として、新しい施設の清潔な美しさを楽しんだ。座席を確保して、ゆっくりと空を見上げる。綺麗な空だ。
 17:00 を過ぎると、両軍の選手が登場してウォーミング・アップを始める。この様子を眺めることもまた、ラグビー観戦の一部である。以前、イングランド州選抜がヤマハスタジアムに来てくれたことがあったが、そのときは彼らのハンドリング練習での巧みさに驚嘆した。試合中ではない、いわば素の状態での、個々の選手の能力を確認できる好機なのである。
 レフリーは久保修平さん。18:00 にパナソニック ワイルドナイツのボールでキックオフ。前半は均衡した闘いとなることが常だが、ヤマハ発動機ジュビロは敵失を突いて大きくゲインし、インゴール直前でトライの期待できるフェイズにまで持ち込んだ。だが、パナソニック ワイルドナイツの守備は堅く、得点機会を生かせないままに押しのけられてしまう。
 五郎丸歩選手の長距離弾で敵陣深く攻め込む機会もあったが、はねかえされる。相手のキックに対するバックスのキャッチもスマートとは言えず、選手たちは緊張しているようだ。それでも相手のペナルティーから五郎丸歩選手がショットを決め、また決められもして、前半はヤマハ発動機ジュビロ 6-3 パナソニック ワイルドナイツというスコアで終了する。
 後半の早い時間帯に、パナソニック ワイルドナイツはインゴール直前までボールを運んだ。前半とは逆の立場の攻防だが、ヤマハ発動機ジュビロは守りきることができなかった。13分に、ホラニ龍コリニアシ選手のトライを許し、コンバージョンも決められてしまう。
 ヤマハ発動機ジュビロは、自陣内で防戦する時間が長い。4点差を付けることで余裕ができたパナソニック ワイルドナイツは、敵陣内でパスを回し、ボールを保持して、じっくりと時間をかけて攻め込む姿勢だ。ヤマハ発動機ジュビロに打開策は見受けられず、更にインゴール直前でペナルティーを献上し、ショットで点差を拡げられてしまう。スコアはヤマハ発動機ジュビロ 6-13 パナソニック ワイルドナイツ。ワントライ・ワンゴールではあるが、自陣で防戦している限り、得点することはできない。
 パナソニック ワイルドナイツの粘り強いポゼッションは、それ以降も続いたが、ヤマハ発動機ジュビロもウイングが独走するなど、敗戦への危機感からか、攻撃力が機能し始めた。
 勝負は、やはり後半30分を過ぎてからである。ペナルティーのキックで得たマイボール・ラインアウトを、フォワードがモールを組んで保持し、最後はナンバーエイトの堀江恭佑選手によるトライが成功した。五郎丸歩選手のコンバージョンも決まり、スコアはヤマハ発動機ジュビロ 13-13 パナソニック ワイルドナイツ。しかし、時計は既に後半39分だ。
 それでも最後のプレーでペナルティーを得て、敵陣でマイボール・ラインアウトのできるチャンスがあった。ボールをつなげてゆけば逆転も可能な状況ではあったが、楕円形のボールは思うようにはならず、試合は終了した。同点。引き分け。敗戦だけは免れた、という結果である。
 パナソニック ワイルドナイツの強力なフォワードに、一度は屈服して崩壊したかのようにみえたヤマハ発動機ジュビロのフォワードだが、それを立て直して試合終了時までに間に合わせた修正力は凄い。会場も盛り上がり、観に来て良かったと思わせる試合になったと思う。

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