エノキ

Chinese Hackberry

Chinese Hackberry

 巨樹を見ると気持がいい。温暖な気候のせいか遠州には巨樹巨木が豊富である。
 これから冬を迎えると、木々は冬鳥たちの居場所となる。常緑樹と落葉樹の混在する植生では、落葉樹の枝にとまった小鳥たちの姿を観察しやすくなる。今年は既にモズの高く鳴く声を聴いた。ヒヨドリやハクセキレイも、その数を増しているように思える。
 エノキ(榎)は特に多く小鳥を集める樹木で、冬鳥の小鳥を見たいのであれば、まずエノキの場所を覚えることである。エノキは太陽の光を好む陽樹なので、わかりやすい場所にあると思う。
 一度、その場所を探し当てることができれば、毎年、同じ時期に同じ場所を訪れて、エノキの実をついばむ小鳥たちの姿を見ることができる。巨樹の上の小さな野鳥を観察するためには、10倍くらいの双眼鏡があれば望ましい。
 
 自然観察から、生物・地学を経て、数学・物理・化学へ。
 野鳥を観るために植物を学ぶ。植生を考えるために地形と地質、気象と海洋などについて学ぶ。それらの自然現象を理解し、説明することができるよう、数学と物理と化学の勉強を深める。高校レベルの数学と理科の知識を持つ自然観察ガイドになりたい。
 実際には、小学生から社会人まで、多くの方とお話をする機会があるのだが、センター試験の受験にも資するような、教育的な存在でありたいと考えている。それが、ただの立ち話だとしても。間違いを教えたくないし、聞く方になんらかの知識を提供できれば嬉しい。
 もちろん、それは私自身の勉強にもなる。あらためて数学や理科を自学自習することは、実は楽しい作業である。ウェブには、数学や理科に関して多様な教材が供給されており「そのときの自分にとって適した教材を選ぶ」という難しい課題を解決することができる。
 ウェブの教育的な機能に関しては、もっと研究され、開発されて然るべきではないか。大都市圏と地方との格差、富裕層と貧困層との格差を埋める効果を期待したい。地方の貧困層からも高等教育や学術研究にアクセスできるような環境を整備することは、社会の全体に対して厚生や利益をもたらすものであると私は考えている。

 ジョウビタキの声が聴こえる。自宅にいても野鳥の声や姿を楽しむことができるのは嬉しいことだ。だが、やはり週に一度は戸外に出たくなる。自然に触れることで、気持が新鮮になる。私もまたエノキのように太陽を好む人間なのである。

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