準備と即興

Narcissus


 Gourmet は食通、Gourmand は大食漢と翻訳される。Gourmet には憧れるが、地方では飲食店の数が大都市圏よりも少なく、集積することなく散在している。自動車社会なのでノンアルしか飲めないのも外食の興趣をそいでいる。

 老母が炊事を引退して以来、料理は私がつくることになった。教材はテレビのグルメ・料理番組である。広いキッチンと豊富な調理器具、潤沢な食材の溢れる料理番組よりも、狭い空間でアイディアを活かし、調理を工夫している食堂やレストランを紹介するグルメ番組のほうが、むしろ参考になることもある。
 家庭料理に於ける要件は、安全と衛生の確保、家族の健康への配慮、美味しさの追究の三点にあると私は考えている。
 食材や食器、調理器具、調理場などを清潔に保つことを前提として、家族への問診により健康に配慮した献立を考える。この際に必要なのは栄養学の素養である。さらに美味しい料理をつくるためには調理技能の修得が必要であり、教材からの知識とともに日々の訓練が欠かせない。空間と時間の制約、経済的な制約の中で、これらの三要件を満たし、向上させることが、家庭料理に対する私の基本姿勢である。

 天ぷらなら揚げたて、ソテーなら焼きたてを家族にふるまうことができるのは、家庭料理の魅力のひとつである。主菜となる揚げもの、焼きもの、炒めものなどの調理は即興であり、そこに至るまでには準備が欠かせない。鮮魚や精肉などは特に下処理が重要である。
 サラダやスープなどの副菜はメインディッシュよりも先に着手する。スープは先行してつくり配膳する直前に温め直す。ポテトサラダなどは前日の夜につくりおきする。それらも昼の食卓のための準備である。
 食料品の調達は原則として一週間に一度であるから、食材や調味料のストックについては恒常的に把握しておく必要がある。これは週の食卓のための準備である。また、食材には季節がある。私はまだ春夏秋冬の一巡りを経験していない初心者だ。食卓のマネジメント能力を修得して、四季の食卓のための準備を円滑にすることが、現在の私の課題である。

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