チュウシャクシギ

Whimbrel

Whimbrel

 朝食時には、すでに明るい日差しが庭を照らしていた。
 珈琲をボトルに入れ、フィールドスコープと双眼鏡を持って家を出る。この季節には旅鳥であるシギやチドリが観察できる。干潟へと自動車を走らせた。

 強い海風の中をツバメが飛翔している。イソシギが近い場所にいた。セッカの鳴く声を聴きながら、干潟を俯瞰し、動くものの影を探す。双眼鏡で確認する。重い三脚を立てフィールドスコープを備え付ける。海風に倒れないよう、三脚は重いものが望ましい。
 ハマシギの群れがいるようだ。すでに夏羽で、腹部が黒い。その他にも小さなシギやチドリの姿が見える。キアシシギ、メダイチドリ、キョウジョシギ(京女鷸)、コチドリ。シギやチドリの類には保護色で小さいものが多く、観察することが困難ではあるが、その動きなどで種の同定が可能になる。ハマシギは群れで飛翔することに特徴がある。
 チュウシャクシギ(中杓鷸)は、比較的、大きいシギで、その姿は優美であり、シギやチドリの仲間としては判りやすい種であるように思う。鳴き声がしたので探していたら、数羽のチュウシャクシギが餌を啄ばんでいた。
 海風に吹かれながら、ボトルの珈琲を飲む。シギやチドリの他にも、ウミネコやカワウ、カルガモの姿が確認できた。中州には草木が生い茂っており、キジの鳴く声が聴こえる。ただ、その姿を探しても、丈の伸びた草の中に隠れていて観えない。コジュケイの声が遠くで聴こえる。近くではホオジロが囀っている。

 熊本と大分で大きな地震があり、由布市に住む私の友人も被害を受けた。地震の活発化した21世紀にあって、なお20世紀半ばに構想された原子力政策が、慣性の法則から逃れられないかのように静止されないでいる。この干潟もまた緊急時防護措置準備区域( Urgent Protective action Planning Zone )にあり、将来は、訪れることのできない土地になることも考えられる。
 目をつぶり、からだ全体で海風にあたりながら、ボトルの珈琲を飲み干す。帰路に着く。

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