逃れられない課題

Takasago Yuri

Takasago Yuri

 時間管理の要諦は、優先順位を付けることにある。優先順位を付けるためには、自分の目標が何であるのかを明確に意識しておくことが大切だ。私個人としては、実務の勉強を最優先にしなければならない状況にあると考えていたが、それ以前に必然的に取り組まなくてはならない、いくつかの逃れられない課題のあることを最近では認識している。

 浜岡原子力発電所について、中部電力は再稼動へと推進する方針であり、日本政府も、原子力規制委員会による適合性審査を根拠として、これを容認する意向にあるようだ。さきの東京都知事選挙でも明らかなように、東京都など原子力発電所のリスクが直接には及ばない地域の住民には、エネルギー政策の観点から、原子力発電所の再稼動を期待する民意があるとも思える。
 しかし、仮に原子力規制委員会が浜岡原子力発電所のプラントとしての適合性を認めたとしても、浜岡原子力発電所の立地・周辺自治体において、実効性のある避難計画が明瞭に確立されていない現況では、プラントの運転再開という結論には至らないと思われる。原子力発電所の安全性は、原子力工学のみではなく、社会工学や都市工学からの視点も加えて、総合的に評価すべき問題であると考えられるからである。
 浜岡原子力発電所による交付金に財源を依存する立地自治体の御前崎市は別格として、周辺自治体には中部電力に対抗する姿勢を強く示してもらいたいと思うのであるが、防災に関して行政からは「自主防災会による「自助」「共助」」を言われているのが現実である。自治体には「公助」しかできないから住民の「自助」と「共助」で頑張ってくれ、というわけである。
 私自身、周辺自治体の住民のひとりであり「自助」を心がけなければならない立場にいる。私の住む地域には高齢者も多いので、近隣の「共助」にも出向かなけなければならないであろう。実を言えば、拙宅も高齢者の住居である。老父は初期の認知症で、以前はアリセプト、現在はグラマリールを服用している。その面倒を看ている老母も、病気やケガで家事を休むことの多い高齢者である。
 私は、老父や老母の生活を支えるために家事を勉強している。家事検定(現在では存在しない検定であるが)で三ッ星シュフの称号も得ている。厚生労働省の「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」には「認知症の人が可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていく」という構想がある。つまり、老人福祉施設に入所させないで自宅で認知症の老人の面倒を看てくれ、ということであるから、この家から私がいなくなるということはできない。
 むろん、この町から老親と私が避難するということも難しい。浜岡原子力発電所が南海トラフ巨大地震の影響で原子力災害を起こしたとしても、原則として私は、この家、この町に留まらざるを得ないのである。そのときのことを考えるだけで憂鬱な気分になるが、それでも中部電力や日本政府、東京都民(の一部)などの意向には逆らえないのかも知れない。
「自助」として対策を考えるしかないので、私は、高校レベルの物理・化学・地学から原子力発電所に関する諸問題を勉強している。放射能、放射性物質の拡散、その測定方法や除染の仕方など、実用的な知識と技能の必要とされるときが、いつ来るとも限らない。そのときに備えるために基礎知識だけでも予習しておきたい。

 さて、実務の勉強も継続しなければならない。現代の実務は近代よりも高度化していて、高等教育・職業教育について、社会人は何度もリスタートを切らなければならない状況にある。大学などの高等教育機関を卒業した後も、実務の勉強に長い時間を充てなければならない。この課題もまた逃れられないものである。

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